GLP-1ダイエット(サクセンダ・ビクトーザ)
GLP-1とは、グルカゴン様ペプチド-1(Glucagon-like peptide-1)の略で小腸から分泌される消化管ホルモンです。
インスリンの分泌を促進させるほかに、血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)の分泌を抑制します。
また、摂取した食物の胃からの排出を遅らせる作用や食欲を抑える作用により体重を減少させます。
当院では保険適応外(自費)の使用として、GLP-1作動薬である、サクセンダ・ビクトーザを、糖尿病以外の方にダイエット(減量)目的で処方しております。
ビクトーザは日本では、2型糖尿病の薬として販売されております。
当院では流通事情により、サクセンダとビクトーザの両方を提供しております(両者は全く同一の成分です)。
- このお薬は自分で皮下に注射するタイプの薬剤です。
- 食欲を抑えることによって体重減少効果があります。
- 糖尿病の治療に使用されているお薬です。
- アメリカやヨーロッパでは肥満治療薬として承認されています。
治療を始める前に
ダイエットの基本は食事と運動です。
サクセンダに加えて適切な食事と運動計画をたてる必要があります。
自堕落な生活をしたまま、決して安価ではないGLP-1治療はおすすめできません。
以下の基本を守りながら安全な治療を提供していきたいと思います。
1日3食とること。
外食は1日1回以下に抑えること。
野菜を最初にとるようにして、かつ5分以上かけて食べ始めること。
アルコールは糖質フリーを心がけること。
タンパク質(肉・魚など)は太りにくい栄養素です。
いきなり炭水化物(米・麺・イモなど)を全てカットせず、タンパク質に置き換えしていくと良いでしょう。
運動習慣のある人の方が、この治療は成功する確率が高いことがわかっています。
GLP-1ダイエットだけで安心せず、適度な運動と食事は普段から心がけるようにしましょう。
どんなモノを食べれば良いんだ! どれだけ酒は飲めるんだ?
どれだけ運動すればいいんだ? なんていう方はダイエットに対するマインドが出来ておりません。自分に甘いだけです。
逆ギレする方、質問の多すぎる方も同様です。
生活習慣から見直してください。
投与量
患者さんの状態に合わせて投与量が調節されます。
副作用である、消化器症状(便秘、下痢、おなかが張る、むかむかする)を軽減するため、少ない投与量からはじめます。
消化器症状が強い、体重が減ってきたといった自覚があれば、3.0mgまで増やさなくても大丈夫です。
日本人の場合、1.8~2.4mgで維持される方が多いようです。
効果
下のグラフをご覧ください。
4週間ではほとんど効果はあらわれません。
まずは16週(4ヶ月)頑張りましょう。4~5%程度の体重減少があれば成功です。
加速度的には減らず、40週(5.5ヶ月)で下げ止まります。
サクセンダ(リラグルチド)を使用した方が使用していない群に比べて優位に体重が減少しています。
しかし、使用していない群も体重は落ちています。これはダイエットをしている方を対象にした試験ですので、どちらも体重は落ちています。
つまりダイエットの基本である食事制限と運動をした上での試験なので。
ネット上で反乱している、無理な食事制限や、激しい運動をしなくても自然にやせることができます。といった文言は決して嘘ではありませんが、ガンガン食べていても体重が減りますということではありません。
適度な運動と食事制限は必要です。
治療中は毎朝・体重をはかるようにしましょう。
商品名「サクセンダ」は輸入製剤です。
輸入製剤について
■名称
抗肥満薬リラグルチド(商品名:サクセンダ)
■未承認医薬品であることについて
抗肥満薬リラグルチドは、医薬品法上の承認を得ておりません。
■入手経路
海外出荷元:Succeed Holdings Limited.
■国内の承認医薬品等の有無
ありません。
■諸外国における安全性等に係る情報
■諸外国におけるサクセンダ承認年月日
2015年3月23日
副作用
- 低血糖
サクセンダは血糖値が高い時に作用するので、糖尿病以外の方には低血糖が起きにくいお薬です。しかし万が一、低血糖症状(ふるえ・どうき・冷や汗)が出た場合は
砂糖やブドウ糖の入った食べ物や飲み物を摂取することで対処しましょう。
- 消化器症状
使用していくにしたがって消化器症状(むかむか・吐き気・便秘・下痢)が起こりますが、次第に慣れていくようです。
- 膵炎
背部痛が出現した場合疑います。
- 胆嚢炎、胆石
上腹部痛が出現した場合疑います。
費用(税別)
※初回の処方時にヘモグロビンA1cと血糖値の採血をします。検診を受けられた方は結果をお持ち頂いても大丈夫です。
薬剤費用 |
初回 |
1本 14,800円
2週間分/採血込み |
3本 80,000円
4週間分/採血込み |
2回目以降 |
3本 80,000円
1.8mgで維持/月3本 |
4本 100,000円
2.4mgで維持/月4本 |
5本 130,000円
3.0mgで維持/月5本 |
針、酒精綿代 |
2,000円 |
薬剤費用 |
初回 |
1本 14,800円
2週間分/採血込み |
3本 80,000円
4週間分/採血込み |
2回目以降 |
3本 80,000円
1.8mgで維持/月3本 |
4本 100,000円
2.4mgで維持/月4本 |
5本 130,000円
3.0mgで維持/月5本 |
針、酒精綿代 |
2,000円 |
よくある質問
効きやすい方はどんな方ですか?
女性が効きやすいです。
食べている量は変わらないのに勝手に体重が減った なんて言う声は女性から良く耳にします。 10人中9人に効果がある治療です。
1本で何日分ありますか?
以下の表をご参照ください(同じ用量で継続した場合)。
- 0.6mgずつ: 約30日分
- 1.2mgずつ: 約15日分
- 1.8mgずつ: 約10日分
- 2.4mgずつ: 約7.5日分(ビクトーザは1.2mgを2回打ち)
- 3.0mgずつ: 約6日分 (ビクトーザは1.5mgを2回打ち)
※ビクトーザは1.8mgまでの目盛りしかありません。
サクセンダ・ビクトーザは注射ですが、インスリン製剤ですか?
インスリン製剤ではありません。サクセンダ・ビクトーザはすい臓からインスリンが出るのを助け、血糖値を下げるおくすりです。
注射時刻は朝または夕どちらがいいですか?
注射時刻は朝または夕のいずれでもかまいませんが、可能な限り同じ時刻に行ってく
ださい。基本的には午前中を推奨します。
注射はどこに打てばいいですか?
お腹や太もも、上腕に注射してください。同じ部位の中で、注射場所は毎回変更し、前回の注射場所から2~3cm離してください。
注射のタイミングは食事の前または後どちらがいいですか?
食事の影響は受けませんので、前または後のいずれでもかまいません。
もともと糖尿病の薬なのに、どうして糖尿病の方はこの治療ができないのでしょうか?
打てないことはないのですが、私は内科医ではないので、強い低血糖をおこされたりすると対処できませんので、お断りさせて頂いております。